斜位とVRの熱い関係

私は斜位です。右目がちょっと、確か外側にずれています。症状に気づいたのは2年ぐらい前?ある日、目の前の人の姿がどうしても重ならなくなりました。

そもそも右目で見たものと左目で見たものが重なる、という過程が視覚で感知できるという時点で、正常ではなかったようです。普通は見れば当たり前に立体的に見えるもの。斜位の場合は、右目と左目で見ている場所が若干ずれているので、それを筋力で重ね合わせる作業が入ります。これは無意識に行うものですが、私はそれを他人と違うことだとは認識していませんでした。

よく似た名前で、もっと有名なものがあります。斜視。こちらは筋力での補正もできない状態のことを言うようです。私は遠景については、メガネに組み込んだプリズムレンズで矯正しなければ左右の目で見た像を重ねられなくなっているので、部分的には斜視と呼んで良い段階に来ているのかもしれません。一年以上眼科に通院していますが、目の前については左右のズレが減ってきていると言うことなので、なかなか表現に難しい症状になっています。

そんなこんなでメガネにもお金がかかるようになってしまって困ったなぁと思っていたところに、「VRゴーグルを毎日のように被るようになって5ヶ月程になりますが、何故か視力が回復してきたみたい。」と言うツイートを発見しました。



なんという事でしょう。視力が回復・・・?

私も心当たりはあります。Oculus Questで「ソード・オブ・ガルガンチュア」(これをやらずに一生を終えてはならない)に熱中した後は、なんだか目がスッキリしているような感覚を得ていました。VRはなんとなく目に負担をかけているような気がしていたのですが、逆にリフレッシュできているかのような感覚に驚いたのです。

そもそも、斜位の症状にある者にとってはVRというのは楽しみにくい世界です。ゴーグルないに映し出される映像は、左右の目がズレなく見えることを前提としています。黒目と黒目の間の距離は個人差があり、Oculus Questにはそこを調整して見やすくする機構があります。物理的にレンズの位置が動くんです。ここを頻繁に調整して極力見やすくなるようにしてVRの世界を楽しむのですが、これが左右のレンズを独立して動かせたら、斜位の者にももっと見やすい世界が実現できると思うのです。斜視の場合はなおさらですよね。ちゃんと調整できるようになれば、むしろゴーグルを通して見た世界の方が美しく見えるかもしれません。

以上のように、惜しいところで斜位と斜視の者に優しくない設計となっていますが、それなのにゲーム後に目がスッキリしているんです。何かいい効能があるような気がして当然です。そこへきて、実際に視力が回復したという方まで現れて…

ちなみに、アメリカのスタートアップVivid Vision社が、実際にVRを利用しての斜視や弱視の治療方法を提供しています。以前MoguraVRでも「VRデバイスを処方し弱視や斜視の治療 処方用アプリが登場」として記事になっていました。もしかしたらこれに頼らずとも、ひたすらゲームに熱中していると症状が多少なりとも改善される可能性があるのかも、なんて思っています。

とりあえずは斜視向けに、レンズの位置を左右独立して調整できるようになったら嬉しいです。斜視じゃない人が動かしちゃうと悪影響がありそうとか、素人が勝手に動かして帰って症状が悪化するとか、そんな問題もありそうですけれど。なんでも試してみたいじゃないですか。

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